どんな料理か
ワーグイ(碗粿)は、米の生地を器ごと蒸して固めたものです。「粿」は米で作る食べ物の総称、「碗」は茶碗のことです。ほとんどは塩味で、切り干し大根の漬物(菜脯)、豚肉、干しエビ、煮卵の半分などが入り、上からとろみのある醤油かスイートチリソースをかけます。生地にたれを混ぜて濃い茶色に仕上げる地域もあります。
生い立ち
ワーグイがいつどこで生まれたかは、まだ誰にも突き止められていません。台湾史の作家、曹銘宗は、清代の文献には碗粿も碗糕も出てこないと指摘しています。一方、日本統治時代の『台日大辭典』には碗糕は載っていますが、碗粿はありません。ここから曹は、どちらの名もこの時代から使われてきたと結論づけ、かつては地域による違いだったのではないかと推測しています。今は碗粿が一般的な名前です。中国語版ウィキペディアは碗糕を誤りとしていますが、教育部の台湾閩南語辞典は、同じ軽食として碗糕を独立した見出しにしています。
「粿」の音が台湾語の「貴」に近いため、ワーグイなどの粿は神様や祖先へのお供えによく使われます。
似たような蒸した米の食べ物は台湾の外にもあります。ワーグイと結びつけられる水粿は、起源を潮汕地方とされ、シンガポール、マレーシア、台湾の客家の人々の間でも食べられています。
作り方
材料は在來米(インディカ米)です。水と一緒にすりつぶして生地にするか、粉にしてから熱湯で練ります。生地を弱火にかけ、とろみがつき始めるまでずっと混ぜながら温めます。それを具と一緒に茶碗に流し入れて蒸します。まず生地だけを蒸し、具をのせてもう一度蒸す料理人もいます。南部では、たれや豚肉の煮汁をあらかじめ生地に混ぜ込むことがよくあります。昔から、蒸し上がったものは一晩おいて冷まし、やわらかくも弾力のある食感に仕上げます。
食べ方
台南ではワーグイは朝ごはんの定番で、ある有名店はたいてい昼前に売り切れます。たれをかけた状態で出てきて、たれは店によって、とろみのある醤油、スイートチリ、にんにくだれ、自家製の合わせだれなどさまざまです。高雄の哈瑪星碗粿枝では、店で削った竹串を食べる道具として配っています。台南ではサバヒーのとろみスープ(虱目魚羹)を一緒に頼むのが定番です。
台湾各地では
- 台南
- 台南は黒いワーグイ(黑碗粿)で知られています。煮卵、エビ、椎茸、肉そぼろを生地の中に入れて一緒に蒸すので生地が茶色に染まり、蒸し上がりに甘いとろみ醤油をかけます。一味品のワーグイは、台北のものよりずっと色が濃い仕上がりです。麻豆区もワーグイで知られています。
- 高雄
- 1951年創業で今は四代目の哈瑪星碗粿枝は、毎朝寝かせたインディカ米を挽き、白っぽく弾力のある生地を三十分蒸します。濃い醤油に薬草とにんにくを合わせたたれは、しみ込まずに表面にとどまります。若い店主は、台南のワーグイのほうが油っぽく塩辛いと感じています。
- 北部
- 2018年の全国コンテストでは、北部からの出品の多くが客家式の水粄でした。プレーンなインディカ米の生地を白くやわらかく蒸し、たれと炒めた切り干し大根の漬物をのせたものです。
- 中部
- 台湾中部は北部と南部のやり方を組み合わせています。同じコンテストでは、中部の出品の多くが生地を白いまま残し、中に椎茸、豚肉、塩漬けアヒルの卵黄を忍ばせていました。
- 南部
- 南部では、蒸す前に豚肉の煮込みだれや醤油ベースを生地に混ぜるのが一般的で、濃い黄色からコーヒー色に仕上がります。豚肉、椎茸、塩漬け卵の黄身を一緒に器で蒸します。
- 客家
- 客家では、黒糖を生地に混ぜた甘いワーグイを作ります。北部の市場で売られる塩味の客家式は、味をつけずになめらかな白に蒸し上げ、肉そぼろ、大根の漬物、醤油をのせます。




